2012年02月06日
宮城の企業からBCP(事業継続)の実例を学ぶ

開催されていました。
津波の被害が大きかった、宮城県名取市にある廃油処理業の方が
実際に経験したBCP(事業継続)の運用について発表されました。
書籍や研究者のセミナーで学ぶ知識とはまた違い、臨場感があり
とても勉強になる内容でしたのでご紹介させていただきます。
私が印象に残った、この企業の優れた点を列挙します。
1.2009年からBCPの重要性を感じ、専門家に相談をしていた。
2.2010年~2011年の被災直前までに、社内のBCP策定作業
を進めていた。
3.策定しておいたBCPのポイント
①注文が多く、収益性の高い事業を二つに絞っておいた
②現預金(3ヶ月分の運転資金)を確保しておいた
③情報収集の方法を想定しておいた
4.地震発生。施設は甚大な被害をうけた
①当日・・・社員の安全を最優先し、高いところに避難して被害なし
②翌日・・・協力会社、関係企業の安否確認
③週明け・・・対策本部を設置し復旧方針・計画(1年がかり)を決めた
5.復旧の方針
①二次災害(火災、環境汚染)の防止
→津波でさらわれ放置された廃油等をボランティアで回収した
②顧客の生産計画への影響を最小化
→自力で(社員の足を使って)会社の処理設備を復旧した
→市内の同業3社で共同受注体制を構築した
→顧客名簿をお互いに交換し、エリア分けを効率化した
③社員の生活確保
→通勤車両を購入した
→仮住居の手配をした
6.業績の回復
◎被災から3ヶ月後には、被災前の水準まで売上を回復した。
◎昨年末には、社員に特別ボーナスを支給した。
7.何が良かったのか?
◎残す業務の選択が良かった
◎情報システムが使用できた
◎協力会社との連携がとれた
◎インターネットで被害と復旧状況を発信した
どうでしょうか。
私が強く感じたのは、日頃からいざという時のために現金を確保しておくこと。
自社の存在価値(何があるからこそお客様から支持されているのか)を意識する。
そして、社員さんと協力者を大切にし、日頃からコミュニケーションを欠かさない。
このことが、ピンチに強い企業であるということでした。
同時に、平時においても成長する企業であると思います。
ご相談はお気軽に(^◇^)塩崎事務所
Posted by シオ at 08:38│Comments(0)