酒の肴
おいしい肴の話ではないのであしからず。
私の顧客である、造園業のお宅を訪ねたときのこと。
そちらの親方は打ち合せ中も、伏し目がちで無口な、まさに「THE・職人」というお方。
ところが、ひととおりの打ち合せが済んで、私が松の木の話題を向けたところ、
親方の目がとたんにキラキラ輝き始めた。
それからは親方の独壇場。
松にまつわる色々なお話を聞かせていただいた。
例えば、「松が枯れそうになったら、○○の煮汁を根本にかけると一番いいだよ。」とか。
最後に親方は「俺は松の話をしていれば、一晩中でも酒が飲めるよ。」といって笑った。
果たして、自分は、自分の仕事を酒の肴にして、一晩中酒が飲めるだろうか?